【吉川ひなのさんにききました】地球と一緒に子育てするって、どういうことですか?

2019.04.04

1

ジュースとお菓子の生活からオーガニックライフへ

Text / Hiromi Tani  Photo / Hinano Yoshikawa

 

Spring Step : 第一子のお嬢さんを手づくりのオーガニック食で育て、ふたり目の息子さんが生まれてから、オーガニックコットンのベビー服ブランド「Love the Earth(ラブ ジ アース)」を立ち上げられました。今はハワイからLAに移られ、ご家族でオーガニックなライフスタイルを送られていますね。

 

ひなのさん : 今はそうなんですが、私自身はもともとジュースや甘い紅茶を口にして、お腹が空いたらお菓子をつまむ、そんな生活をしていたんです。

 

Spring Step : 食事もきちんと取っていなかったんですか?

 

ひなのさん : 仕事で忙しかったせいもあります。でも今の夫と結婚して、ずっと元気でいてほしくて、体にいいものを食べてもらいたいと思ったんです。そして長女が生まれたときに、何を食べさせるべきなのかを本気で考えるようになりました。

 

Spring Step : 食の大切さに気づかれたんですね。

 

ひなのさん : はい。娘が赤ちゃんのうちは母乳で育てていたんですが、一度、既製品のミルクをあげたときに、うんちの匂いがいつもと違い、驚いたことがあるんです。食べるものって大事なんだ、とあらためて思いましたね。

 

Spring Step : 母乳をやめてからは?

 

ひなのさん :  アーユルヴェーダの先生から教えてもらったライスミルクを飲ませたりして、自分なりにいいと思うことを追求しました。本を読んだり、インターネットを見たりして、いろいろ調べ始めたのもこの頃です。ネットには本当にいろんな情報があって、どれを信じたらいいのか迷うほどでした。できるだけナチュナルなものをと心がけ、無農薬の野菜や食材など、自分が確かだと思う材料で離乳食もつくり始めたんです。

 

Spring Step : 既製のベビーフードには頼らなかったんですか。

 

ひなのさん : レトルトや缶詰などの既製品はあげていません。すごく忙しくなってどうしても仕方ないっていうときは使うかもしれないけれど、やっぱり新鮮じゃないし。食べるものは体をつくるし人をつくるでしょ。命がある食べ物を食べさせたいなと思っています。

 

Spring Step : 立派です! でも手間ひまはかかりますよね。

 

ひなのさん : そうですね。煮たり蒸したり、材料の切り方や調理法などもいろいろ研究しました。でもふたり目の息子の食事はすっごく簡単にしていて、4人目ですかってくらい手抜き(笑)。すり鉢で全部材料を全部擦っちゃうの。手でゴリゴリ擦りつぶしたものって、食材のエネルギーが丸ごと入ってて、栄養満点なんですよ。

 

Spring Step : 確かに、ミキサーやブレンダーを使うと摩擦熱も発するし、栄養価が損なわれますからね。

 

ひなのさん : おいしくなりますように、栄養たっぷり摂ってもらえますようにって思いながらお野菜とかいろんな材料を擦ると、私が見てもおいしそうなんです。力は要るし時間もかかるんだけど! 

 

2

食育に対する信念

 

Spring Step : 完全ホームメイドの食事、素晴らしいですね。でも既製品を与えないとなると、周りのファミリーとのお付き合いも大変そうですが……。

 

ひなのさん : 自分の苦労や手間ひまより何より、そのお付き合いが一番大変でした。ハワイでは毎週のようにお誕生日会とか食事会とかバーベキューとかあって、添加物の入った食品やカラフルで甘いお菓子がずらり。娘にはそういうものはあげてないんだけど、お友達は皆それ食べてるから、最初は食べたがって。周りのママたちも「今日だけならいいじゃない、そこまで厳しくする必要あるの?」「これ100%オーガニックよ、何が悪いの?」って口々に。

 

Spring Step : それをどのように乗り切ったんですか?

 

ひなのさん : 心を強くもつしかないんです。子供って小さいうちは、親から与えられたものしか食べないでしょ、だからそのチョイスはそれぞれの価値観。他のママから「私たちはこれを自分の子に与えてるのに、あなたはそれを否定するの?」っていわれたこともある。「もちろん何も否定しないけれど、私たちは私たちのルールを真剣に考えて決めたの。それぞれの価値観を認め合えるといいな」って一人ひとりに話したりしました。「あなたはピンクが好き、私はブルーが好き、それだけのことだから」って。

 

Spring Step : 確固たる信念ですね! 

 

ひなのさん : くじけそうになったこともあったけど、曲げませんでした。最後には「あの人変わり者だからしょうがないわよ」っていわれるようになって楽になった。芸能界でもそうだったけど(笑)。でもそうしているうちに子供も自分で考えるようになって、外で目にするお菓子は食べたがらなくなりました。

 

Spring Step : ひなのさんが守った信念を、お嬢さんは自分の中で咀嚼したんですね。

 

ひなのさん : 娘には、どうしてママがごはんを手づくりするのかを話して聞かせていました。小さいうちは、これは食べていいもの、そうではないもの、って具合にゲームのような言い方もしたけれど、4歳くらいかな、きちんと説明して本人がわかるようになってから「あとは自分でチョイスしてね」って本人に任せてみたら、ちゃんと自分で考えて選択するようになった。「今日は〇〇ちゃんのバースデーでこんなお菓子食べたよ、お砂糖使ってないっていってたから。でもすごく甘くてびっくりした!」って報告してくれるんです。

 

Spring Step : まさに食育! ママの考えがしっかり伝わってる。

 

ひなのさん : 私自身も食生活を変えて、本を読んで、思考のトレーニングをして、変わりました。困難なことに突きあたったときにただあきらめるのではなく、まずそれを受け入れて、そこから先を考えるの。こういうやり方がある、とかこういう選択肢がある、こんなこともできる、というふうに、考え方をポジティブに変換できるようになりました。まだまだ発展途上で、訓練してる最中ですけど。

3

オーガニックコットンのぬいぐるみに託した思い

 

Spring Step : ご自分のブランド「Love the Earth (ラブ ジ アース)」をつくろうと思ったきっかけは?

 

ひなのさん : 娘のパンツがほしかったんです。素材がよくて、きちんとガードしてくれて、丸見えになってもいいデザインのもの。小さい子ってすぐにスカートめくれちゃうから、そんなのを探してたんだけど見つからなかったの。それで、つくるしかない!って思ったんです。

 

 

Spring Step : 最初からオーガニックコットンにこだわっていたんですか。

 

ひなのさん : はい。家にたくさんあるタオルやブランケットの中で、娘が一番気に入っていたのは、かわいいプリント柄のものとかピンク色の女の子らしいものではなく、何度も洗濯してボロボロになった生成りのオーガニックコットンのタオルだったの。子供って、本能で気持ちよさや価値がわかるんだなって興味が湧いて、コットンについて調べたら、綿花の栽培には相当な量の農薬が使われていることを知ったんです。だから「Love the Earth(ラブ ジ アース)」の製品にはできる限り農薬や化学肥料を使わずに育てた綿を使って、オーガニックコットンを応援できれば、と思いました。

 

Spring Step : 「Love the Earth (ラブ ジ アース)」のパンツやパジャマ、すごくかわいいですよね。

 

ひなのさん : 特にオーガニックにこだわっていない人にも興味をもってもらえるように、デザインはかわいくしたかったんです。オーガニックだって知らずに買ってくれる人もいるみたいです。

 

Spring Step : ぬいぐるみがすごく人気だとか。

 

ひなのさん : 職人さんがひとつずつ手づくりしてるから、たくさんはつくれないんです。そして顔がどれもちょっとずつ違うの。子供が口の中に入れてもいいように、中綿の品質にもこだわってるんです。ひと晩じゅう抱っこしてても安心なんですよ。

 

Spring Step : まさに! うちの子、くまさんにチューしてます。

 

ひなのさん : ほんとですか? うれしいな。今リニューアルに向けて製品も増やしていて、うさぎのぬいぐるみも加わるんです。

 

Spring Step : 買う人が増えることで、オーガニックコットンの農地が広がればいいですね。

 

ひなのさん : 使うものや着るものすべてをオーガニック製品にするというのは難しいけれど、たとえばパンツだけでもオーガニックにしてみるとか、週に一度はオーガニック生活してみるとか、それならできるかもしれないですね。皆がそれを実行すれば、すごく大きなムーブメントになるから。

 

4

優しくなることで、地球との一体感を得られたらいい

 

Spring Step : ひなのさんはジュースとお菓子で生きてたっておっしゃってましたけど、今は180度違う生活ですね。

 

ひなのさん : うん、本当に変わったと思います。体質も変わったし何よりマインドが変わった! エネルギーがあるものを食べているとすごくポジティブになれる気がします。若いころは忙しかったし、前向きとはいえない時期もありました。でも今は大切な家族もできて、生まれ変わったように元気な自分がいて、人生ってこんなに楽しかったの?っていうくらい幸せ。生きて呼吸してるだけでハッピーと思えるの。寝るのがもったいないくらい! 

 

Spring Step : できることをひとつずつ実践して、自分を変えてきたからですね。読者の皆さんにも、ポジティブな自分になるためのファーストステップを、何かひとつ教えてもらえますか。

 

ひなのさん : そうですね、「優しくなること」というのはどうですか?

 

Spring Step : 何に対して?

 

ひなのさん : 人に対して、周りに対して。人は皆一人ひとり価値観も違うし、立場も違うから、いろんな意見がありますよね。私はオーガニックコットンの製品をつくっているけれど「じゃあなんでオーガニック以外のものを着るの?」っていわれたりする。その人から見れば矛盾を感じるんだと思うんですけど、この文明社会で、自分なりに矛盾と向き合いながら日々ポジティブに選択している積み重ねで今があると思うんです。それをお互いが信頼して受け入れて、認め合っていけたらいいですよね。

 

Spring Step : 周囲に対して寛容であれ、ということですね。そうすることで、社会が変わってくるかもしれませんね。

 

ひなのさん : 一人ひとりが、水や土や空気を大切に考えて、地球をきれいにすることを考えていけたらいいなと思います。ハワイにいたときは自然が身近で、裸足で生活して、土からエネルギーをもらってた。土ってすごいです。地面を踏みしめると、命をキューって入れてもらえる感じがするの。娘も泥んこになって帰ってくるんだけど、洗いたくないほど、泥や土がきれいに思える。

 

Spring Step : 小さいときはカルチャーでなくネイチャーの方が必要かもしれないですね。子供って、親が教えてないことを突然話したり、やってのけたりするじゃないですか。私が先日お会いした心理学の先生によるとそれは、自然界にいる妖精が教えているんですって。

 

ひなのさん : それ納得できる! いきなりできちゃうこととかあってびっくりするけど、それって妖精が助けてるとしか思えないですよね。私たち大人の決まり切った常識や約束ごとにとらわれず、土や木や虫に育ててもらって妖精と一緒に過ごしてほしい(笑)!

 

Spring Step : 土と妖精と地球に手伝ってもらいながら子育て。ひなのさん、地球と一体化してますね!

 

ひなのさん : 地球と一体化! 素敵ですね。子供はそのままで本当に素晴らしくて、自分でたくさん考えて育っていくから、私はその邪魔をしないように妖精さんと協力しつつ身の回りの手伝いをしたり、ごはんを作ったりしてるだけ。でも、子供との暮らしはとっても楽しくて幸せで、日々すべての出来事に感謝の気持ちが生まれる。まだ小さい息子がやんちゃで、いろいろやらかしてくれて大変なときもあるけど、それにもとりあえず感謝することにしてる(笑)!

 

 

▼ イベント情報/吉川ひなのさんに会えるかもしれない!

【Love the Earth(ラブ ジ アース) ポップアップショップ】

期間/2019年4月14日(日)~2019年4月20日(土) 10:00〜21:00

場所/二子玉川ライズS.C.  タウンフロント 1F イベントスペース

   東京都世田谷区玉川2-21-1 http://sc.rise.sc/

 

PROFILE

吉川 ひなのさん Hinano Yoshikawa /モデル、タレント

二児の母。2018年3月、オーガニックコットンの子供服ブランド「Love the Earth(ラブ ジ アース)」をローンチ、製品の開発やデザインに携わる。

「Love the Earth(ラブ ジ アース)」公式サイト https://love-the-earth.jp

オフィシャルブログ http://ameblo.jp/hinano-yoshikawa/

Spring Step News Letter
のご登録