心地いい生き方に欠かせない、視る力、知る力。安倍佐和子

Way of living Beauty Lifestyle Ecology
2019.12.12

Beauty Journalist/Editor 安倍佐和子

Photo : Nahoko Morimoto

美容ジャーナリストという職業柄、いち早く、先進のスキンサイエンスに触れる機会が数多くあります。サイエンスというワードに敏感に反応して、「えっ、ホリスティックとはまったく無関係なのでは?」なんて、思わないでください。ホリスティックとサイエンスは表裏一体、相関的に進化し続ける深い関係にあるからです。

たとえば、今年、スキンケアの一大ブームとなった、発酵や常在菌(マイクロバイオーム)ケア。腸内環境や口内環境を整えるために摂取していた自然の恩恵、プレバイオティクスやプロバイオティクスが皮膚常在菌にいい影響を与えていたことや、発酵科学の進化で新しい発酵エキスが誕生、スキンケアの選択肢が広がったこと、ご存知ですよね? 皮膚常在菌の実態が明らかになったのは、マイクロバイオームのゲノム解析や発酵科学の進化のおかげ。

つまりは、私たちがより快適に生きるための選択肢を増やし、ホリスティックの未知なる可能性をていねいに紐解いてくれるのがサイエンスの力というわけです。

そこで、ホリスティックの可能性が広がるであろう、スキンサイエンスの最新ワードをいくつかご紹介したいと思います。

 

睡眠とスキンサイエンス

睡眠不足が肌の代謝を鈍らせ、くすませたりすることはよく知られた話ですね。じつは睡眠が乱れがちな人は、寝ている間も肌が老化しているという怖いニュースが入ってきました。どういうことかというと、睡眠が乱れることによって、細胞に必要な酸素が供給されにくくなることが判明。もちろん、呼吸しているにも関わらず、です。睡眠の乱れによって、肌の細胞内は低酸素状態に。エネルギー源であるミトコンドリアの活性も低下、細胞の再生や修復が滞り、エイジングを加速させていたというわけです。睡眠不足が肌に悪いことはわかっていましたが、睡眠の質そのものが、肌の細胞エネルギーまで低下させていたとは・・・。今後、睡眠とスキンサイエンスの関係はますます深まっていきそうです。

 

毛細血管とスキンサイエンス

血流が滞るとくすんだり、むくんだり。血流が滞らないように、マッサージしてながしたり、食事に気を使ったり、普段から意識されている人も多いと思います。スキンサイエンスの視点から言うと、血流が滞ると身体のすみずみまで酸素や栄養が行き渡らず、これも睡眠とスキンサイエンスの関係と同様に、細胞のエネルギー活性不足によって、再生や修復の機能が低下。栄養を取り込んだり、排出したりの機能も滞ってしまうということなんです。血流を促す炭酸コスメが人気ですが、肌に関して言えば、物理的にも効果は期待十分ということがわかりますね。

 

脳科学とスキンサイエンス

すでに耳にされた方もいるでしょう。肌には、幸福ホルモンと呼ばれるオキシトンやノルアドレナリンをキャッチする受容体があること。また、これらの脳メッセージ物質が肌の弾力を生みだすタンパク質を活性させていたことが発表されています。さらに、弾力のある肌に触れたときに好奇心が高まることで、脳メッセージ物質も高まることがわかっています。つまりは、肌で感じる幸福感や好奇心が脳にメッセージを送り、さらに肌の弾力もアップするという相関関係にあったのです。気持ちいい感覚が脳に伝わることはなんとなくわかっていましたが、脳で感じたことが肌にきちんと還ってきていたなんて、感動的ですよね。これもサイエンスの進化のおかげ、五感とスキンサイエンスの研究は今後ますます注目が集まりそうです。

 

上記のキーワードに加えて、最近は、オーガニックコスメブランドのみならず、ラグジュアリーブランドまで、企業をあげて取り組んでいるのが、サステイナブルな物づくりです。自然環境の悪化によって、植物成分の確保が難しくなっている現状に警鐘を鳴らし、独自に土地を確保、栽培をスタートさせるブランドや、自然保護活動そのものに取り組みはじめた企業も少なくありません。自然を敬い、サステイナブルに徹する意識もまた、サイエンス同様にホリスティックなライフスタイルに欠かせないキーワードなのです。

そして、これらのすべてがきっと、1年後にはアップデートされるはずですし、100年ライフ時代に、心地よく、豊かなホリスティックライフを送るためにも、アンテナを張っておくことは欠かせません。視て、知ることで培った知識が自分にとっての正解へ導いてくれるとともに、確かな自信をもたらしてくれると思うからです。

 

PROFILE

安倍佐和子 Sawako Abe/ビューティエディター、美容ジャーナリスト

化粧品会社、出版社勤務を経て独立。日本初の美容月刊誌の創刊に関わり、ビューティエディターとして活躍。現在は女性誌や美容誌で編集・執筆活動を続けるほか、広告、化粧品マーケティングなど幅広い分野で活躍。JPHMA認定ホメオパス、フィトテラピーアドバイザーの資格を持つ。著書に「安倍佐和子のMy BEAUTY Rules 人と比べない美人力の磨き方」(講談社)がある。

Instagram:@abesawakobeauty

雑誌:

VOCE, MAQIUA, Figaro Japon, Marisol, ecla, SUPER, GINZA, Presious, 25ans, mi-molet, WWD Beauty etc.

広告制作:

HELENA RUBINSTEIN, SHISEIDO, LANCOME, POLA, KANEBO,GUERLAN,KOSE, P&G, SK-Ⅱ, FLOWFUSHI etc.

テレビ:

テレビ朝日「BeauTV VOCE」新作コスメ紹介  2010年~2012年

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