【四角大輔さん×CHICOのインスタライブ配信】 切り離せない、子育てと仕事の向き合い方~前編~

Way of living Organic Lifestyle Ecology Special Interview
2022.11.10

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四角さんとの4年ぶりとなる リアル再会&インスタライブ

Text: Madoka Natsume / Photo : Daisuke Yosumi 

 

Spring Step編集長、CHICOとニュージーランドの湖畔でサステナブルな自給自足ライフを営む執筆家、四角大輔さんによるCHICOのinstagramで行ったライブ配信でのトークを紹介します。

テーマは大きく分けて「子育て」と「仕事の向き合い方」の二つ。配信では話が弾みすぎて2時間を超える収録となりましたが、ここではお互いが考える“キーワード”をフックに、ダイジェスト版としてお届けします。

 

 

CHICO : 大ちゃんと会うのは4年ぶりになる⁈  普段はニュージーランド(以下、NZ)の湖畔で暮らす“森の住人”だもんね。スプステでも連載してもらっていて、歴代1位のレビューを記録するほど人気です!

 

四角さん: それを聞いた時、ホントに嬉しかった。僕は、スプステに限らず、どんな小さなコラムでも、少しでも世の役に立ちたいという思いを込めて書いてるから。

 

CHICO : 大ちゃんの原稿を読んでいるとその想い、熱量がものすごく伝わってくる。

 

四角さん: ありがとう。正直、スプステのようなスタイリッシュなメディアに僕が書くソーシャルな記事が支持されていることに驚いたけど、「すごく読まれてるよ!」ってCHICOちゃんに教えてもらって、“よし、このままがんばろう”って思えたんだ。

 

CHICO : 今回は、大ちゃんの新書『超ミニマル主義』のプロモーションと私の帰国のタイミングがちょうど重なって、日本でのライブ配信が実現できました。後で本のお話もじっくり聞かせてもらいましょう!

 

四角さん: 執筆期間4年の、10年ぶりの書き下ろしビジネス書。話したいことはいっぱいあるから!

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小学校の時に確信した、 父親という一生できる仕事

 

CHICO : トークテーマは大きく分けて「子育て」と「仕事の向き合い方」について。

 

四角さん:  働き方と子育てって、そもそも共通していることが多いよね。

 

CHICO : そうそう。子育てって、生活の中心にあるもの。自分たちの生活リズムのど真ん中にあって、そこから、どう働きたいか、どう生きたいか、どう育てたいか、ということになる。別々に考えるものではなくて、同じ土台で考えないといけない。

 

四角さん: 別々に切り離すことなんてできないよね。僕は今は、一度振り切ってみようと思い子育てに集中してる。

 

CHICO : 大ちゃん、いつも“育児がめちゃ楽しい”って発信してるもんね。

 

四角さん:  ホントそう。そもそも僕は、一生できる仕事として“父親”になりたいと小学校の頃から思っていたの。

 

CHICO : えっ⁈ そんなに小さい頃から温めていたということ?

 

四角さん: 小学校のときの夢は、プロ野球選手だったのだけど、仮になれたとしても30代半ばでベテランと呼ばれると知り、それなら一生できる仕事は何か?と考えて、それこそが父親という職業だなと。

 

CHICO : プロ野球選手から父親という職業を見つける大ちゃんの思考がさすがです(笑)。

 

四角さん: それは、僕の家庭環境も影響していて、父は家庭内での存在感がない企業戦士で、専業主婦の母が孤軍奮闘して、僕と弟を必死で育ててくれた。幼心に、僕はこういう父親にはなりたくない、パートナーを絶対に孤独にしたくないと思うわけ。家にずっといて、“子育てにフルコミットできる父”になりたいと思ったわけ。

 

CHICO : なるほど! そして、ようやく50歳にして目指していた仕事に就けたんだね。

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50歳で父になる。 そして、すべての母に感謝する。

 

 

CHICO : 日本で暮らしていた頃、大ちゃんはレコード会社の敏腕プロデューサーとしていくつものミリオンヒットを世の中に送り出し、有名アーティストを手掛けていた超多忙な人だった。そして今は、心に温めてきたNZの移住を成功させて、あの美しい、ピュアな湖が広がる森で暮らし、旅人、執筆家でもある。

 

四角さん: レコード会社で15年働いた後、2010年にそれを全部手放し、ニュージーランドに移住して収入は1/10に。電気はあるけど、ケータイ圏外で水道もきてない山奥で自給自足ライフを営んでる。場所に縛られない働き方を早々に構築し、“ノマドの先駆け”として注目されたこともあったけど、元々は、“月-金、出勤せず働くにはどうすればいいか”、“釣り場に暮らしながらいい仕事をするにはどうすればいいか”(※四角さんは釣りが大好き)、“子育てしながら働くにはどうすればいいか”と考えてのことだった。

 

CHICO : それって、すべて子育てがリンクしているんだね。

 

四角さん: そうなの。“50歳で父親になって、ついにこの「在宅勤務スキル」を活かせる時がきた!”と喜んだ。これまでの人生の全経験が――子育てという「アウトプット」のための――「インプット」だったから。

子育てだけじゃなく、妻の妊娠期間中ずっとフルサポートできたし、出産は24時間かかったんだけど、ずっとくっついていた(笑)。マッサージしたり、ハグしたり、一緒に呼吸法をしたり。そのすべての時間を共有してもらえたこと、心から感謝している。

 

 

CHICO : 50歳からのアウトプット! 

 

四角さん: 妻は、オキシトシンとエンドルフィンを大量分泌させる、ヒプノバース呼吸法をマスターしていたからあまり叫ばなかった。とはいえ苦しさは体に触れてるとわかる。その時、急に自分の母親のことを思い出して号泣してしまったの。「産むってこんな命がけなんだ。母ちゃんわかってなくてごめんね。そしてありがとう」って、母への気持ちが溢れてきた。

 

CHICO : 出産って命がけの仕事だからね。そして、出産したら今度は育てていくメンタルのチャレンジがはじまる。子育てを通して人生の見え方、口角の上がり方がぜんぜん違っていて、喜びの大きさは何倍にもなったと思う。

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“おむつなし育児”を通して、 子どもとの信頼関係を構築

 

CHICO : 大ちゃんは、布おむつとおまるを併用する“おむつなし育児”をしてるんだよね?

 

四角さん: そうそう、僕がやりたかったことのひとつ。生後2週間ぐらいからおまるでさせていて、布おむつを最小の手間で洗うのは完全マスターしている(笑)。言葉を話せない赤子でも、排泄のタイミングをちょっとした表情や動きでよみとれるようになる。

 

CHICO : なるほどね、顔つきが変わるんだ!

 

四角さん: 最初は簡単じゃないけど、よ~く観察しているとだんだんわかるんだ。成長と共にそのサインも変わるから、それを追い続けないといけないけど、“あっ、する!”と、あたると感動で。そもそも、おむつでの排泄って大人はもちろん、子どもも当然めっちゃ不快。気付いておまるや便座でさせてあげることで、子どもは「気持ちいい!ありがとう!」って喜ぶ。そして、“この人(親)は自分のことをわかろうとしてくれてる”と信頼を寄せるようになる。

 

CHICO : 言葉が話せないときから信頼関係が生まれてるんだね!

 

四角さん: 子ども目線で言うと、「こいつ、仕事できるな」って思ってるはず(笑)。

 

CHICO : 大ちゃん、ホントに子育て楽しんでるね。

 

 

四角さん: 登山や湖畔の生活で、”いま風向きが変わったな”、”そろそろ雨が降りそうだな“っていう、自然と向き合っている感覚と同じなんだ。そして、自然を読んで、魚が釣れた時の感覚と似てる。”あたった、かかった、でかいの釣れた!”っていう感動と同じ。子育てって、小さな大自然を相手にする行為なんだと思う。

 

CHICO :  確かに排泄って自然なことだからね(笑)。


――後半に続く。

 

連載01:「2000万枚のプラスチック製品をバラまいたぼくが、森に暮らすわけ」

連載02:「オーガニック&サステナブルライフ〜自給自足への挑戦」

連載03:「なぜ、森の生活でベジタリアンになったのか」

連載04:「ニュージーランドにみる〝女性性〟とサステナビリティ」

連載05:「あなたは元の世界に戻りたい? アフターコロナへの願い」

連載06:パラダイムシフトの春と新世界の夜明け  

 

PROFILE
四角大輔 Daisuke Yosumi

 

執筆家/森の生活者 /Greenpeace Japan & 環境省アンバサダー
レコード会社プロデューサー時代に、10回のミリオンヒットを記録した後、ニュージーランドに移住。
湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営み、場所・時間・お金に縛られず、組織や制度に依存しない働き方を構築。
第一子誕生を受けてミニマル仕事術をさらに極め、週3日・午前中だけ働く、育児のための超時短ワークスタイルを実践中。
ポスト資本主義的な人生をデザインする学校〈LifestyleDesign.Camp〉主宰。公式サイト〈daisukeyosumi.com〉。Instagramdaisukeyosumi〉。ポッドキャスト〈noiseless world〉。
著書に、『人生やらなくていいリスト』『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』『バックパッキング登山入門』など。
新刊『超ミニマル主義』好評発売中。

 

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