女の子が今とこれからをハッピーに生きるために、知っておいてほしい5つのこと〜その2 軍地彩弓

Lifestyle
2018.08.16

Editor/Fashion Creative Director 軍地彩弓


photo / Nahoko Morimoto 

2、思っていることはちゃんと言う

 

前回からちょっと時間が経ってしまいました。みなさんお元気ですか?(前回の記事のおさらい

さて、今回のテーマは、女の子が生きやすくなるためのちょっとしたおまじないの話です。

 


最近の東京医大の女性だけ受験で差別を受けていたという報道や、杉田水脈議員のLGBTの方への差別発言など、21世紀の今でもこんなことが起きているのか!と日々驚くばかりです。いろんな意見、考え方があるのがダイバーシティでありますが、それでも本当に酷い。

こう言った問題を聞いた時に、できるだけ「こんなことはおかしい!」とNewspicks(以下NP)や自分のSNSでも発言しています。そして、周りを見渡すともちろん声をあげる女性は増えているのですが、NPなどを見ているとまだまだ数的に少ないという印象です。これを私はSNS内のガラスの天井と呼んでいます。

 


SNS上で意見を言うことが「叩かれたらどうしよう」と言うマイナスな思考を引き起こすことも十分理解できます。実際に声をあげて炎上している人も多々います。あのレイプ問題で声をあげた伊藤詩織さんですら、国内で加害者を実名で告発した後に、彼女自身へのバッシングが同時に沸き起こりました。

 


女性だから、目立つことは得じゃない、自分の意見を主張することはできるだけ避けよう、思っていてもできるだけ黙っていよう、SNSが発達した今だからこそ、そういう傾向は根強いように感じます。

 


「あまり自分の意見を言うのが得意じゃなくて」と、ある大学生が言いました。その子はレストランで、食べたいメニューもなかなか決めることができません。そういった子が意外と多いんだなと知りました。

例えば職場でセクハラ上司に抗議できない、学校で先生から理不尽な目にあってもなかなか言い出せない、夫から暴力を受けても、専業主婦だから抵抗できない。身近なところで「なんで拒否できなかったの?」と思う場面があります。

 


自分だけ黙っていれば大丈夫、と思ってしまうことは、自分自身の心の中に澱のようなものを積み重ねることになります。あの時抗議の声をあげていればもしかして事態は悪化しないで済んだかも、ちゃんと意見を言うことでいい方向に向かったかも、こういうことが起きている。

もちろん、抗議すること、意見を言うことには責任が発生します。だからこそ、何か理不尽なことがあったら、ちゃんと整理して、論理的に相手に伝える必要があると思うのです。

「日本女性の奥ゆかしさ」と言う古来の美徳があります。ここで言う「奥ゆかしさ」とは謙虚で、出しゃばらず、声高にものを言わず、ひっそりと野咲く百合のような、そんなイメージでしょうか。もはや死語のような言葉でありますが、地方にいくとまだこう言った概念に今だに縛られているなー、と感じることが多いでのです。

昭和の時代でも、奥ゆかしいと言われた女性たちもきちんと意見を持っていました。男性の後ろで隠れていることが「奥ゆかしさ」ではないと思うのです。昭和を代表する映画監督。小津安二郎の映画には沢山の女性たちが登場します。原節子、有馬稲子、岩下志麻。彼女たちは奥ゆかしさはあっても、決して“意見を言わない女性”ではなく、きちんと自分の意思を示していました。

 


一番怖いのは、思ったことを言わないことで、自身の「好き、嫌い」に鈍感になることです。いいこと、悪いこと、許せること、許せないこと。意思を持たないこと、一番あってはいけないことが「思考停止」です。誰かの意見に流されたり、従う癖がついてしまうことは、自分の放棄になります。

 


だから、ちょっとずつ「思ったことはきちんと言う」ことが大切なんです。言葉に出す時、ちょっと勇気がいるかもしれません。だけど、大丈夫。言葉に出せば誰かが賛同してくれたり、仲間が増えます。そうして心を強く持つことができるんだと思うんです。

 


NYの金融会社が集まるウォール街に一体の女の子の像が建てられました。有名なチャージングブルという証券界を象徴する暴れ牛の前に立ちはだかるように立つ像には、「Fearless Girl(恐れを知らない女の子)というタイトルがつけられております。暴れ牛は男性社会の象徴でもあります。そこに立ち向かう女性は、恐れを知らない、無垢な強さがあります。マイティガールやワンダーウーマンではなくて、怖さを知らない強さ。

 

 


何か意見をいう時、時々折れそうになる時、私はこの像を思い出します。どんな時も、まっすぐ前をみて。思ったことはちゃんと言う、これをおまじないのように心に刻んでおけば、きっと大丈夫です。

 

PROFILE

軍地彩弓  Sayumi Gunji  / 編集・クリエイティブディレクター
大学在学中からリクルートでマーケティングやタイアップを中心と した制作の勉強をする。
その傍ら講談社の『Checkmate』でライターのキャリアを スタート。
卒業と同時に講談社の『ViVi』編集部で、フリーライターとし て活動。
その後、雑誌『GLAMOROUS』の立ち上げに尽力する。
2008年には、現コンデナスト・ジャパンに入社。クリエイティ ブ・ディレクターとして、『VOGUE GIRL』の創刊と運営に携わる。
2014年には、自身の会社である、株式会社gumi-gumi を設立。
現在は、雑誌『Numéro TOKYO』のエディトリアルディレクターから、ドラマ「ファー ストクラス」(フジテレビ系)のファッション監修、情報番組「 直撃LIVEグッディ!」のコメンテーターまで、幅広く活躍して いる。
プロフィール写真栗原洋平©
 

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