【“ハワイのマキさん”にききました】どうしたら毎秒をハッピーに生きられるんですか?

Lifestyle Special Interview
2020.01.23

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ハワイへの恩返し

Text / Hiromi Tani  Photo / Spring Step

Spring Step : 私が知っているモデルさんやタレントさんで“ハワイのマキさん”にお世話になってない方はいないくらい、いろんな方から名前が挙がります。そして皆さん、とにかくマキさんと一緒だとハッピーになれる、元気をもらえるって言うんです。

 

マキ コニクソンさん(以下 マキさん) : ありがとうございます。確かにハワイに撮影や取材に来る皆さんのコーディネートやガイドをするのが私の仕事なんですが、現場ではむしろ制作スタッフの皆さんを大切にしています。それもAD(アシスタントディレクター)さんやカメアシ(カメラマンアシスタント)さんといった、現場を支える人たち。こうした方たちが少しでも仕事しやすいように、頭も気も使いながら準備して本番に臨むんです。この仕事を始めたときから、ずっとそうしてきました。ハワイが私によくしてくれるから、私もハワイにくる人たちによくしよう、って。

 

Spring Step : 主役のタレントさんや番組を仕切るプロデューサーさんたちではなく、アシスタントさんたち、に対して気を配られるわけですね。

 

マキさん : そう。上の人たちから怒鳴られて、現場で走り回っている皆さん。この方たちの気持ちになって考え、この方たちの気持ちを大事にしようって。皆さんがやりがいを感じて、いい現場だった、いい仕事だった、と思えるならその撮影は大成功。現場の雰囲気は格段によくなって、仕上がりもすごくいいものになるんです。そして発つときに皆ハワイを大好きになって「ありがとうございましたっ、また戻ってきますっ!」ってすごく嬉しそうに言って帰っていくの。現場でがんばってきた方たちが今偉くなって、チーフプロデューサーやディレクターとして番組を企画するようになっている。それがすごく嬉しいですね。そして今また、その部下の皆さんと一緒に現場をやってるんです。

 

Spring Step : ご自身がやってきたことが蓄積されて、実を結んでるんですね。まさに巡っている。

 

マキさん : ハワイに恩返しをしようと一生懸命やったことが、また自分に返ってくる。そんな私の姿を見て、多くの人がハワイに戻って来てくれる。ありがたいことだと思いますね。

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父から受け継いだウルトラ級のポジティブマインド

 

Spring Step : マキさんのポジティブで寛容な考え方は、どこで培われたものなんですか? 

 

マキさん : 父がね、もうダンディでかっこよくて大好きだったんですが、グローバルなマインドと、驚くほどのポジティブシンキングのもち主だったんです。

 

Spring Step : 海外でのキャリアが長くていらっしゃるんですね。

 

マキさん : そう、家には暖炉やベッドがあって、お人形はリカちゃんでなくバービーというアメリカナイズされた環境で育ちました。小さい頃、家族で週末にグアムに行くことになったんだけど、悪天候で飛行機が飛ばず、成田のホテルに家族で泊まったことがあるんです。

 

Spring Step : それは残念でしたね、楽しみにされていたんでしょう?

 

マキさん : そうなんです。成田のホテルに着いてもまだ私は「どうしてグアムに行けないのー?」って文句を言ってたの。そしたら父がね、「だってパパは(悪天候のフライトで)死にたくないよ、マキもそうだろう?」って。そしてね、「よーし、今日はこのホテルの部屋でとびっきり楽しく過ごそう!」と言って、本当にすごく楽しませてくれたんです。ルームサービスのお料理をたくさん注文して、皆でバスローブを着て、カードゲームのUNOとか買ってきてくれて。お部屋でお菓子を食べたりジュースを飲んだりしながら、家族でパジャマパーティみたいな感じ。パパはすばらしいホストでエンターテイナーだった。グアムに行けなくてあんなにがっかりしていたのに、今となってはあの成田でのひと晩がどんなエクスクルーシブな旅よりも一番楽しかった思い出なんです。ピンチをチャンスに変えるということを、父から身をもって教わりましたね。

 

Spring Step : キャパシティの大きなお父さまですね!

 

マキさん : ネガティブな出来事を、父はものの見事にポジティブに変えてみせたんです。こういう風にハンドリングするんだ、って子供ごころに感激しましたね。だから仕事の上でもハプニングや問題が起こると、さあこれをどうやって乗り越えようってワクワクします。自分はそんなときが一番輝いているかもしれない。ピンチをチャンスに変えるとき、まさにTime to Shineよね。

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ピンチをチャンスに!

 

Spring Step : ピンチや窮地を、具体的にはどのように乗り越えられてきたんですか?

 

マキさん : ハワイに来てコーディネーションの仕事を始めたばかりのころ、すでに同じ仕事をやってた先輩がたくさんいたんです。キャリアのない私がテレビ局出身だったために仕事が来るせいか、いじめられたこともありました。あるとき、そんな先輩と私と別々の車に乗ってロケ地に向かっているとき、まだ道をよく知らなかった私を先導していたその方に巻かれて、到着が遅れたことがあったんです。わざと変な道へ入って、突然いなくなったりして。

 

Spring Step : えっ、ひどい!

 

マキさん : 私が乗せていたタレントさんは不安になるし、着いたら責められて悔しい思いをしました。けれどそのとき、ポジティブな自分が「ダメだよマキ、お前が悪いんだ、仕事なめてたでしょ」って言ったんです。確かにそのロケ地は有名な場所だし、道を知らなくてもなんとかなるって思っていたの。翌日は違う場所で撮影だったんですが、夜のうちに時間をかけて道を調べ、目をつぶってもたどり着けるくらいに下見をしました。もちろん当日のガイドは完璧にこなすことができ、これは大きな学びでした。意地悪されたことに感謝しましたね。

 

Spring Step : そんな仏のような境地になれるものなんですね!

 

マキさん : それも自分のためなの。この話には続きがあって、その撮影のときにね、私がいじめられていることに気づいていたとある女優さんが「あの〇〇さんって、どんな人?」ってネガティブオーラぷんぷん出して聞いてきたの。多分私をかばってくれるつもりで、同調して批判しようとしてたんだと思うんです。それはそれでありがたいし、そこで悪口を言うのは簡単。でもそれをしたら〇〇さんと同レベル。自分だったらもちろんそんなことをされたくないし、人間として最低、それは嫌だ! 私はとっさにそう思ったのね、それで「〇〇さんは仕事もできるし、すごくいい人だよ」って言ったんです。

 

Spring Step : その方、意地悪したはずのマキさんからいい人だなんて言われて、びっくりしたでしょうね。

 

マキさん :   あとから、とてもばつが悪そうに「ありがとう」って言いに来られました。勝った!と思いましたね。車で道を巻かれたときは「なんで私がこんな目に遭うわけ? 私何かした?」って悔し涙を流しました。けれど負けるが勝ち。敵が味方に、ピンチがチャンスになったんです。人の気持ちになって考えて、行動してきたからかな。それがいちばん合理的なんですよね。その方とは今でもいい関係が続いていて、当時のことを笑って話せるくらいなんですよ。

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マキさん流メンタル強化術

 

Spring Step : マキさんは1分1秒を常にハッピーに生きている、そう感じます。同じようになりたいと思ったら、どうしたらよいですか?

 

マキさん : 自分のメンタル強化は、ポジティブな自分と仲よくすること。自分の中には常にポジティブな自分とネガティブな自分がいて、同じことに直面したときに正反対のことを言うの。ネガティブな自分が頭をもたげてきたら、意識的に“お前はいらないよ”って退出いただくようなトレーニングが必要。自分は自分にしか変えられないから。

 

Spring Step : 成功されている俳優さんやモデルさんはやはり皆さん、元来前向きな方なんですか?

 

マキさん : 最初からそういう方は少ないと思います。皆さんそれぞれに自信がなかったり、人前に出るのが苦手だったり、挨拶ひとつするのに躊躇したりするんですよ。だから私はどんどん前に行きなさいってけしかけるの。相手の気持ちになって行動すれば、絶対に大丈夫だからって。いちばんよくないのは、陰で人のことを悪くいうこと。

 

Spring Step : 陰口はよくないですよね。

 

マキさん : そう、悪口いったら同じになっちゃう。だから絶対に言わないし、相手に言わせたくない。頼んでないのにそういうこと言ってくる人もたまにいるけど、そういう人とは付き合わない。言いたいことがあったら、包み隠さずにその場で言わないとだめね。私は相手がどんなに仲のいいモデルさんや女優さんでも、違うと思ったらはっきり言います。だからしょっちゅういろんな人と喧嘩したり、絶縁してたりもするんですよ。

 

Spring Step : えっ、そうなんですか。

 

マキさん : 違うなと思うことを放置するとその人のためにならないし、それに目をつぶっている自分が嫌だし。でもそれも相手の立場に立ってのことだから、最後には皆わかってくれて、笑って話せるようになるの。嫌いなのは“should have(ああすればよかった)” “could have(こうできたのに)” っていう言葉。コミュニケーションで後悔したくないですね。

 

Spring Step : マキさんがいうとすべて、なるほどと思えますね。

 

マキさん : 人生経験を積んできましたから。20代はがむしゃらにがんばって働いた。30代はわき目も振らずに働いた。40代も走り続けてたけど、一方で人生のモデルプランを作って種を蒔き、どう育てていくかを考えた。そして今、50代に入って、もうワッハッハって感じ。今がいちばん楽しい。50代最高! でもこれまでも“今がいちばん”と思ってやってきたんだけどね(笑)。

 

PROFILE

マキ コニクソンさん Maki Konikson /ハワイ在住コーディネーター。

民放テレビ局の制作スタッフを経て独立。幅広いメディアや企画でハワイを中心としたロケーション撮影のコーディネーションを行う。多くの芸能人や文化人と交流があることで知られ、彼女を慕ってハワイを訪れる人が後を絶たない。インスタグラムのフォロワーは26万人を超える。著書に『MY TRAVEL,MY LIFE Maki’s Family Travel Book 』(ダイヤモンド・ビッグ社刊)ほか多数。

公式インスタグラム https://www.instagram.com/makikonikson

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