パラダイムシフトの春と新世界の夜明け 四角大輔 連載 06

Way of living Organic Lifestyle Ecology
2020.12.31

1

1968年と2020年が教えてくれること

Photo : Spring Step 

 

2020年のクリスマス明けにこの原稿を書いている。

皆さんにとって、今年はどんな1年だっただろうか。

 

〈A Year Like No Other=かつてなかった1年〉

これは、世界最大の有料オンラインメディア「New York Times」による2020年を総括した特集の見出しだ。

 

その記事には、今年に匹敵する年を挙げるとするならば、過去に3つあると書かれている。

 

アメリカ南北戦争が終結し、奴隷制度が廃止された1865年。

史上最悪の犠牲者を出した第二次世界大戦が終わった1945年。

そして、世界中で学生運動や大規模デモ、社会活動や革命、弾圧や暗殺などが多発して「動乱の年」と呼ばれた1968年。

 

この年、ロバート・ケネディ大統領候補とマーチン・ルーサー・キング牧師が凶弾に倒れ、ベトナム戦争は激化して死者が急増し、民主活動「プラハの春」が圧殺される。

 

中国の文化大革命による虐殺が発覚し、メキシコでは民主化要求デモに警察が発砲して若者約300人が死亡。日本・アメリカ・欧州では、戦争や強権に抵抗すべく学生を中心に市民が立ち上がった。

 

そして、不条理すぎる黒人差別を訴える「ブラックパワー運動」が世界中で認知されたもの1968年。

 

多くの市民や活動家が、横暴な国家権力によって命を奪われた悲劇の1年だったが、平和や環境保護、性差別や人種差別撤廃に向けての本格的なシフトが始まった1年でもあった。

 

 

では、2020年はどうだったか。

まずは、未だ猛威をふるう新型コロナウイルスの最新状況をまとめてみよう。

 

12月29日現在の、世界における感染者は8,100万人を、死者は177万人を突破

6月に寄稿したぼくの連載記事には、「6月9日現在の感染者数は709万人で、死者は40.56万人」とある。わずか半年で感染者数は11倍以上、死者は4倍以上ということになる。

 

次に、大きな出来事を月ごとにまとめてみたい。

 

〈1月〉

オーストラリア森林火災で30億匹の動物が被害に、現代史上で最悪規模

インドネシアの首都ジャカルタに一晩で400ミリ近い豪雨が降り、全域が洪水に

 

〈2月〉

トランプ米大統領が「権力乱用」で弾劾訴追される(歴史上3人目)。

 

〈3月〉

WHOが新型コロナウイルスの「パンデミック」を宣言(感染者数11.8万人、死者数は4300人)。

 

〈4月〉

コロナの急速な拡大を受けて、日本政府が緊急事態宣言発令。

 

〈5月〉

黒人男性のジョージ・フロイドさんが警官に不法に殺害され、9割以上が平和的なデモとなった「Black Lives Matter」が世界中へ広がる。

 

〈6月〉

中国が、香港国家安全法案を可決(後に民主化活動家たちを次々に逮捕)。

シベリアの北極圏の気温が38℃を観測し、永久凍土ツンドラまでが炎に包まれる

 

〈7月〉

九州の記録的豪雨によって100万人に避難勧告が出される。

中国・長江流域で、過去60年近くで最大の雨量が観測され、数百万人が避難

 

〈8月〉

歴代最長政権となった安倍首相が、多くの疑惑に口を閉ざしたまま辞任。

グリーンランド氷床の融解量が、観測史上最多を記録していたとする研究が報告される

カリフォルニアで54.4℃を記録し、山火事の被害面積が東京都の約6倍と史上最悪に

日本では、観測史上最多の11日が猛暑日となり、浜松市では国内最高気温41.1℃を記録。

 

〈9月〉

菅内閣が発足するが、国会や会見で回答しない姿勢に批判集中(わずか10日で「答弁控える」を111回も記録。過去最高の不回答数だった安倍元首相と比較しても異常に多い。

大阪なおみ選手が全米テニスで優勝し、白人に殺された黒人の名を記すマスクで会場入り。

コロラド州で、24時間で32℃気温が下がり雪が降るという異常気象を観測。

 

〈10月〉

中国政府による、ウイグル人の強制労働という蛮行が国際社会で非難を集める。

 

〈11月〉

米大統領選でバイデン氏が勝利し、ハリス氏が黒人女性初の副大統領に就任(1900年以来の高い投票率を記録)。

アマゾン熱帯雨林火災の総被害が記録的だった昨年以上となり全体の約20%の消滅が判明。

 

〈12月〉

コロナを拡大させた「Go Toキャンペーン」強行を菅首相が謝罪(支持率が39%へ急落)。

安倍元首相を検察が事情聴取し、118回以上の虚偽答弁をしていたことが判明

トランプ大統領は、主張する不正選挙の証拠を示せないまま敗北宣言を拒んでいる

2

若い世代が見せてくれる希望とは

 

こう振り返ってみると、権力者によって人権や市民の命がないがしろにされたり、為政者の圧政や虚偽、公文書破棄や証拠隠滅によって、民主主義が著しく脅かされた1年であった。

 

そして、コロナ禍を含む人智を超えた自然災害や、次々と起こる大洪水や熱波、巨大な山火災に恐怖をおぼえ、異常気象と気候危機の深刻さが浮き彫りになった1年だったともいえるだろう。

 

しかし、世界中で実施されたロックダウンやステイホームによって、人類のCO2排出量が第二次世界大戦以降で最も減少したという思わぬ副産物もあった。

 

目に見えないウイルスは、地球上の食物連鎖トップに君臨するホモサピエンスの暴走を止めに来た自然界からの使者かもしれないと、不謹慎ながらも誰もが一度はそう思ったことがあるはず。

 

さらに、調印国が50に達して人類悲願の「核兵器禁止条約」批准が決定し(日本は唯一の被爆国にも関わらず調印せず)、人種差別や性犯罪撤廃に向けて世界中の市民が声を上げ、手を取り合って活動した1年でもあった。

 

なにより、過去2〜3年の若者や社会的マイノリティの自発的な発信や社会活動には、ぼくは感動をおぼえる。

 

欧米では、人道的な感性と気候危機へ強い当事者意識を持つミレニアル・Z世代が、労働力人口と消費者人口において高い比率を占めるようになり、ここ数年、彼らの行動が社会に大きな影響を及ぼしはじめていた。

 

SDGsやプラスチックフリー、エシカル消費やサーキュラーエコノミー、男女二元論じゃないジェンダー論や人種差別にとても敏感な、この世代を中心とした「行動する市民」の声が、腰の重い大企業や行政を次々と動かしてきたのだ。

 

そして遂に今年、あのゴールドマンサックスや世界最大の資産運用会社ブラックロックをはじめとする大手の金融機関が、環境や社会への配慮、倫理的な働き方や平等性を企業に強いる「ESG投資」へ今年から一気にシフト

 

 

さらに、彼らは米大統領選で投票率を記録的に伸ばし、トランプ大統領の退場に大きく貢献。

 

市民による一票の積み重ねが、非人道的な発言で分断と差別を煽り、新型コロナ軽視によって30万人以上の市民を死に追いやった暴君を(12/27現在、感染者約1,900万人、死者約33万人と、2位以下を大きく引き離してダントツ1位の被害国)、権力の座から引きずり下ろしたのである。

 

「政治家の無知や判断ミスによって、自分や家族の命が奪われる」

日本人だけでなく、アメリカでも多くの有権者がこの恐怖を痛感したのだろう。なかには、コロナ感染リスクがあるのに投票場に何時間も並び、文字通り「命がけの一票」を投じた人も多くいたという。

 

そして、Z世代の代表格で、尊敬するスウェーデンの若き環境活動家グレタさんによる積極的な政治的発言の影響か、若手ミュージシャンや10〜20代の著名人が世界同時多発的に、選挙や政治に言及するようになった。

 

「でもそれは欧米に限ったことで日本の若者はそうじゃない」

そんな声が聞こえてきそうだが、実は水面下では彼らも声をあげはじめている。

 

世界19カ国中、コロナ禍における市民行動に最大の変化が見られたのは日本であり、その中心にいたのは、長い間、政治に無関心だとみなされてきた若者だった」というデータが発表されたのだ。

これは、ぼくが今年最も興奮したニュースとなった。

 

金融界が大きく動き、資本主義の仕組みさえも変容しはじめた2020年は、倫理的でサステナブルな社会の実現が夢ではないことを、次世代が教えてくれた特別な一年だといえるだろう。

 

悲観的、絶望的なニュースだけが続いた気がしていたが、出来事を並べて今年の潮流を客観視すると決して「そんなことはないこと」がわかる。

 

混乱の2020年の大半の時間を自宅で過ごすなかで、あなた自身の意識だけでなく、人々の意識が、社会全体の集合無意識がいい方向へシフトする兆しを感じ取れないだろうか。

 

個人の一票はもちろん、個人の声と個人の消費行動までが、政治や経済、社会に影響を及ぼすことができる。この事実が明白に証明された一年になったとぼくは考えている。

 

ここでふと、レコード会社プロデューサー時代に何度も経験したメガヒットの現象を思い出した。ミリオンセールスとは、100万人が突然一斉に買うような超常現象じゃない。

作り手の熱き思いが一人ひとりに伝播し、それに呼応した「一人ひとりの小さな行動」の積み重ねの結果だ。

 

「個人的なことは政治的なこと」とは、かつてのフェミニズム・ムーブメントのスローガンである。この言葉が好きなぼくは、若い人たちの背中を見ているうちに「個人的なことは社会的なこと」であると、今年何度も感じることができた。

 

これは数年後の歴史が判断することだが、今年があの「動乱の1968年」を彷彿させるような一年だったと言われても、合点がいくのはぼくだけじゃないはず。

 

政界や経済界のリーダーの資質の低さが露呈し、絶対だと信じ込まされてきたシステムの不備やルールの脆弱性が見えたことで、若者を中心とする多くの人々が「目を覚ました年」という共通点もある。

 

言い換えると、「たくさんの希望の種が芽を出した年」とも言ってもいいだろう。

 

でも1968年には、個人が自由に情報を得られるネットも、個人が自由に発信できるSNSも存在しなかった。そういった意味では、来年以降の社会の変革スピードは比べられないほど速くなるだろう。

3

人々が目覚め、真実が明らかになる2021年

 

では、来年はいったいどんな年になるのか。

 

ぼくは、大企業や既得権益団体、政治家や権力者がひた隠しにしてきた真実や、闇に葬ってきた疑念がさらに明らかにされていく一年になると思っている。

 

答えをごまかしたり二枚舌を使ったり、目先の自己利益を最優先して制度や社会構造を都合よく動かしてきた人間たちのウソを、ぼくらの多くが見抜く能力を獲得しつつあるからだ。

 

身近な話題でたとえるならば、多くの人々が不信感を抱いている日本の元首相と現首相、トランプ大統領あたりがわかりやすい。

今年の後半からすでにその前兆が報道されはじめているが、来年からは「彼らが言っていたことは真実だったか、ウソだったか」が明かされていくことになるだろう。

 

それと反比例するように、さらに多くの捏造された情報がネット上を飛び交うようになると、ぼくは危惧している。根拠のないSNS投稿をソースに大手メディアが報道する形で、フェイクニュースが拡散されるという、アメリカで問題になった恐るべし事態もさらに増える可能性も高い。

 

偽のエビデンスを土台とした記事、それらしく陰謀論を説く事実無根の動画、何の裏付けもない作り話を信じ込んで、原理主義的な思想形成してしまう人たち。

方や、慎重に情報ソースを精査して、自分の頭で納得できるまで安易にジャッジせず、洗脳もされず、判断を保留してフラットなバランスを取れる人たち。

 

そんな、「意識の二極化」がより加速することを心配している。

 

誰もが大量の情報にアクセスできるようになった今、情報リテラシーとは、「どれだけ多くの情報を得るか」ではなく、「玉石混交の情報の海から真実を見抜く能力」のことを指すようになった。

 

人類史が証明しているのは、いつの時代も「国家というのはウソをつく」ということ。

ただし、以前の彼らは「わからないようにウソをついていた」が、日本と米国のように2020年からは、多くの政治家やリーダーが「あからさまに堂々とウソをつく」ようになったのは見てのとおり。

 

ここで強く言いたいのは、何事も「盲目的に信じてはいけない」「短絡的に断定してはいけない」「原理主義者になってはいけない」ということ。

 

位が高い人だから、尊敬する大先輩だから、憧れの有名人だから、頭のいいエリートだから「正しい」わけじゃない。先生と呼ばれる職業だから、有名企業だから、大手のメディアだから、これまで常識だったから「絶対」というわけでもない。

 

そして言うまでもなく、「お上(政府)がそう言うのだから間違いないだろう」なんてことは〝決してない〟のである。

 

ぼくは、そう思って世の中と向き合い、生きてきた。その思想が、いまニュージーランドで営む、組織や制度に依存しない自給自足ライフにつながっている。

とはいえ、これまでの人生において、弱さや若気の至りでつい「絶対」や「正しい」を信じ込んでしまい痛い目にあったことは何度もある。

 

そんな経験をもとに今年を振り返ると、「表面的な大勢に惑わされず、自身の感性で事象をとらえ、自分の頭で考える」というスタンスは、来年からより重要になってくると言えるだろう。

4

情報リテラシーと身体感覚について

photo : obi-onyeador

 

そんな、これからの不確実な社会や、不明瞭な情報の嵐とどう対処すればいいかわからない人もいるだろう。その方法に関しては、少しだけぼくの意見を書こうと思う。

 

まず、メディア報道や個人による記事というのは「センセーショナルな一部だけ」を切り取りがちな性質であることを理解することからはじめるといい。だからといって当然、それらすべてが作為的なわけじゃない。

 

そういった刺激を求めるぼくらの「人間の性」が需要となり、情報発信側にそういった供給をさせているだけで、(一部の恣意的なフェイクニュースや意図的な情報操作を除き)決して彼らに悪意があるわけではないのだ。

 

つまり、「情報とはそういうもの」「報道されているのは氷山の一角」と、慎重な目線をもってネットやメディアと対峙すればいいということである。

 

何か(誰か)を介して伝わってくる情報はどれも、自分の手元に届く時点で「二次情報」となる。そして、情報の真偽の裏取り作業は一流の報道記者にとっても難しいもの。

 

だからぼくは、「自分の眼で見て触って五感で経験すること=真の一次情報」を最重要視してきた。とは言え、自分の実体験から得られる情報のみで生きていると、視野が狭くなってしまう可能性がある。

 

「知識は力なり」

とは、16世紀の哲学者フランシス・ベーコンの言葉だが、これからさらにその重要性が高まっていくだろう。

 

ただし、日々触れる情報源は意識的に絞っておくこと。

経験上、日常的に触れる情報源が10だと多すぎて混乱するし、2〜3だと少なすぎる。5〜6あればいいだろう。モノに限らず情報においても、多くを求め過ぎない方がいいのだ。

 

ちなみにぼくは、LINEニュースやYahoo!ニュースといった、スマホやアプリに勝手に表示される類のものは一切見ないし、SNSや動画サイト、ブログ界隈に増えてきた悪意のある匿名発信者や、あいまいな情報ソースで記事を作るメディアは一切フォローしていない。

 

興味のあるジャンルの科学者や専門家、実際に現場を取材するジャーナリストのSNSアカウントやブログ、経験豊かなプロ集団によって運営されているメディアを見つけていて、基本そこだけをチェックするようにしている(その詳細はポッドキャスト〈noiseless world〉をご参照ください)。

 

 

今より少しだけ時間をかけてネット検索すれば、その道のプロによる貴重な情報にアクセスできることを知っておこう。実名と顔を公にしている人は、相当な覚悟と責任を背負って情報発信しているから、信頼度は高い。 

 

そして、そういったタイムライン的な情報以上に信頼できるのは、時間をかけて制作されたノンフィクションの書籍やドキュメンタリー作品だ。

 

しかし、信頼に値する情報源を自分なりに絞ったとしても、決してすべてをうのみにしてはいけない。あなた自身が冷静な記者になったつもりで、それらプロからの二次情報と向き合おう。その際に活躍するのが、(意外かもしれないが)これまでの経験で獲得してきた身体感覚だ。

 

人生で実体験を重ねながら体の奥底にインストールした「あなた独自の感性」をフル稼働させて、目の前の情報に「違和感をおぼえる(受けつけない/不快を感じる)」か、「スッと入ってくる(腑に落ちる/しっくりくる)」かと、自身の体を一度通してみるのだ。自分フィルターにかける、と言えば伝わるだろうか。

 

ぼくの経験では、東京のレコード会社で働いていた時から、世間で常識とされる情報よりも、自身の体感が正しかったことが何度もあった。当時のぼくは、テレビ・新聞・雑誌を見ないプロデューサーとして周りから変人扱いされていたが、多くのヒットや流行を創ることができた。

 

この経験から、大量の二次情報はむしろ害であり、「本当に大切なこと」を見失わせるだけだと断言できる。

その野性の勘なるものをさらに研ぎ澄ますべくニュージーランドの原生林に囲まれた湖に移住し、ワイルドな暮らしを10年ほど続けている。

 

こう書くと難しく聞こえたり、スピっぽく思われるかもしれないが、何人ものトップジャーナリストが「記者は身体感覚が重要」と言っているし、日本語には昔からそういった感覚を表す言葉が無数にあるのはご存知のとおり。

「虫の知らせ」「直感」「ときめき」「第六感」「ぴんと来る」「予感」「腹落ちする」「肌が合う」など、挙げはじめたらキリがない。

 

文明が発達する前の偉大なるぼくらの先祖たちは、現代人の何倍も鋭い感覚を持って、もっともっと厳しい世界をサバイバルしていたのだ。

 

そして、予測がまったく不可能で、何が正解かわからないアフターコロナの時代こそ、ぼくらは先住民のような感性やジャーナリストのような覚悟を持ってサバイバルしていくべきなんだと思っている。

5

ニュータイプを目指して生きていこう

 

もしあなたが都会にいて、そういった感性を高めたいならば、やり方はとても簡単。

大自然と自分の身体に、ちゃんと向き合って生きるだけだ。かといって、ぼくのように森に暮らす必要もない。ポイントは4つだけ。

 

①  毎日の食事に気を使ってみる。

すべての食べ物が「自然由来の命」だから、農薬や添加物が少なくて加工され過ぎていない〝ちゃんとした命〟を感謝しながらいただくことで、人はどこにいても大自然とつながることができる。

 

②  しっかり休んで寝て、少しだけ運動してみる。

夕方から夜に必ず30分ほどの完全リラックスできるセルフケアタイムを確保し、睡眠時間6時間は足りないと考えて7時間は寝ること。

運動は、毎日20分ほど続けてウォーキングするだけでOK。激しすぎるスポーツは活性酸素を増やし体を酸化させるリスクがあるので注意だ。

 

生活習慣を整えれば必然的に健康になり、新型コロナの発症リスクが低くなる。

さらに、細胞すべてが大地の成分で構成されている「大自然そのもの=あなたの肉体」が、本来の機能を取り戻すようになる。

 

体が整えば、自然と心が整うようになり、コロナ鬱の対策にもなる。

最初にメンタルの安定を試みるより、体調を良くするノウハウの方が具体的だから、ぼくはいつも「心より体が先」と言い切っている。

 

心身が健康になれば、あなたの感性と体感は自然と鋭くなり、ネットのフェイクニュースや為政者のウソを自動的に嗅ぎ分けられるようになるのだ。

 

③「自然に触れる時間」と「大好きなことをする時間」を少しでもいいので確保する。

山や海といった大自然も行かなくても、道に咲く花に触れたり、ビルの合間から大空を見上げたり、近くの小さな公園で深呼吸するだけで充分だ。旅に出るといった大きなことでなく、観たかった映画や読みたかった小説に触れるだけでいい。

 

④  大切なパートナーや仲間や家族と、リアルかオンラインで毎日最低30分、真正面からお互いの眼を見てお互いの未来について語り合う。

その時、少しでもいいので、自分たちの未来のために地球環境と政治に何ができるか話してみてほしいんだ。

 

そうすることで、精神はより安定し、あなたの見識はどんどん高まり、情報精査に必須の「自分らしい感性=自分軸」を手にすることができるようになるだろう。

 

日々の生活で、自然なものを摂取し、自然を味わい、自然素材を使い、自然に感謝しながら、健康な心身をもって生きる。

むしろ、コロナ禍の今だからこそ、こういったベーシックなことにたくさんの時間を費やし、今こそ自分の足元を固めることに集中してほしい。

 

DNAに刻み込まれているはずの、最もノーマルな人間の営みを、ぼくらは長い間忘れてしまっていただけだ。

 

そして、きたる「New Year!=新しい世界」でそんな人間的な暮らし方を取り戻し、共に「New World!New Lifestyle!」にシフトする1年にしよう。

 

〈NASA製作、1880年から2019年までの地球の地表温度の推移ムービー。衝撃だ〉

 

最後に。

 

人類が、そんな「あたりまえの生き方」を見失っていた間に、地球温暖化は着実に進行していた。そのことがわかる確かな研究結果が、次々と今年発表された。

 

まず2020年初頭、世界気象機関(WMO)は、史上初めて全参加国が調印に至った温暖化対策の枠組み「パリ協定」の年から直近5年間、つまり2015年から昨年までの地表気温が観測史上最も暑くなっていたと報告。

 

そこには「世界の気温の10年間平均は1980年代以降、過去最高を更新し続けており、 2019年の世界の平均気温は観測史上2番目に高く、地球温暖化の進展を裏付けている」とも書かれていた。

 

さらに今月、EU機関のコペルニクス気候変動サービスは、「11月の世界の気温は観測史上最高を記録し、2020年は観測史上、最も暑い年になるかもしれない。12月の気温がこのまま下がらなければ、観測史上最高だった2016年の記録と並ぶか、わずかに上回る可能性がある」というレポートを出した。

 

この温暖化の確実な進行によって、数々の異常気象を引き起こしていることは、冒頭にまとめた2020年の自然災害リストが告げている。

 

全人類が〝加害者〟となり、全世界が〝被災地〟となった今、この問題から逃れられる人間は地球上に一人もいない。

 

この星に生きる者全員が、日々の生活や人生計画おいて何かを判断する際に「温暖化ガスの排出量と地球環境への負荷を減らすにはどうすべきか」を、判断基準の最上位にすえることが義務となる。

 

でもこれも難しい話じゃない。

選挙で投票する時、ものを買う時、移動手段を決める時といったささいな場面で、少しだけ立ち止まって頭で考え、行動を決めるだけでいいのだから。完璧じゃなくていい。ベターを重ねていく、そんなイメージで。

 

あなたの一票や数百円の買い物だって、社会や環境に大きな影響力を持っていることを自覚しよう。

 

人類が、この「新しい行動規範」で生きるようになると、これまで経験したことのない価値観とライフスタイルの劇的な変化が起きるだろう。

そんな新世界の到来を肌で感じながら、不思議なくらいの心地よさを感じている。

 

 

気候危機によってパラダイムシフトの春が、コロナ禍がもたらした新しい世界の朝が訪れようとしている。

 

寒い夜を太陽が暖めた直後はいつも大気が乱れ、寒い冬から春への変わり目はいつも天候が不安定となる。ぼくらはきっと、そんなビッグチェンジの入り口に立っているのだろう。

 

ぼくは、2021年以降を生き抜くための最強のスキルは「他者と地球に優しくなること」だと思っている。

ぼく自身、まだまだそんな人間にはほど遠いが、来年から本気でそんなニュータイプ(新人類)を目指すつもりでいる。

 

決して楽観せず、悲観もせず、共に勇気を出して声をあげよう、一緒に行動しよう。

そしてもし、この先もずっと緑あふれるこの青い星の上で、幸せに暮し続けることができたら、皆で乾杯しよう。

 

あの「動乱の1968年」を乗り越えた後、悲しいことに人類は一度も一致団結することはできなかった。そういった意味でも、こんなにやりがいのある挑戦なんてないと、ワクワクしてしまう。冒険はいつだっていいものだ。

 

世間で言われているコロナ後の「ニューノーマル」とは、市民が手を取り合って気候危機や権力の暴走に立ち向かう生き方のことであり、シンプルに「Back to the Basic=原点回帰」だと思っている。

 

日本人の祖先のような思想をもって自然に立ち返り、他者や地球に敬意をもって生きていきたい。

そう心から願う。

 

こんな長い原稿を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

 

ニュージーランド湖畔の森より愛を込めて。

四角大輔

 

連載01:「2000万枚のプラスチック製品をバラまいたぼくが、森に暮らすわけ」

連載02:「オーガニック&サステナブルライフ〜自給自足への挑戦」

連載03:「なぜ、森の生活でベジタリアンになったのか」

連載04:「ニュージーランドにみる〝女性性〟とサステナビリティ」

連載05:「あなたは元の世界に戻りたい? アフターコロナへの願い」

 

PROFILE

四角大輔 Daisuke Yosumi

ニュージーランド湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営む執筆家。エシカルな現場を視察するオーガニックジャーニーを続け、65ヶ国以上を訪れる。Greenpeace Japan&環境省アンバサダー。

人生やらなくていいリストLOVELY GREEN NEW ZEALAND』『バックパッキング登山紀行』『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』『モバイルボヘミアン』『The Journey』など著書多数。レコード会社プロデューサー時代には、10度のミリオンヒットを記録。オンラインサロンLifestyleDesign.Camp〉主宰。Instagram&公式メディア:4dsk.coポッドキャスト〈‪noiseless‬ world溢れるノイズに負けず、自分の世界を取り戻してもらうため、四角大輔が湖畔の森から語りかけます。

 

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